感染による皮膚病の中で最も多い病気です。 |
|
皮膚が赤くなり、ブツブツやかさぶた、水疱、膿疱などができます。かゆみがひどいので、激しく患部を掻いたり舐めたりして脱毛することもあります。 |
|
抗生物質や抗菌剤を投与し、薬用シャンプーで体を清潔に保ちます。 |
皮膚や皮下にできる腫瘍は、シコリを直接見たり触れたりできるので発見はしやすいのですが、潰瘍や外傷と区別のつきにくいものも多いので、注意が必要です。 |
|
外科的に切除することが多いですが、放射線治療や抗がん剤の投与も行われます。 |
もともと犬の毛穴には、ニキビダニという極小のダニが常在しています。無症状のことが多いですが、免疫力や抵抗力が低下するとダニが異常に繁殖し、皮膚炎や脱毛を起こします。1歳未満の子犬や老犬がかかりやすく、初期には目、口、鼻のあたりや足先の毛が抜けますが、かゆみや発疹が軽いので、見過ごされがちです。ひどくなると脱毛は全身に及び、細菌による二次感染が起きると、化膿やただれなども見られます。ダニを駆除する薬や殺ダニ剤の薬浴で治療します。 |
自分の体にとって害になるものが侵入したときに、それを排除しようと攻撃する免疫作用が、普通なら害のないものに対して過剰に働き、攻撃が自分自身に向けられることで起こる症状をアレルギー反応といいます。 犬の皮膚病の半分以上はアレルギー性皮膚炎といわれるくらいポピュラーな病気です。 |
|
あらゆるものがアレルゲンとなる可能性があります。ダニ、花粉、ホコリ、人や動物のフケ、タバコなどのほか、植物のトゲや汁、殺虫剤などの化学物質、プラスチックの食器、カーペット、皮膚の圧迫刺激、遺伝的要因など、原因となることもあります。 |
|
一般的に激しいかゆみが特徴です。顔や足の付け根、お腹などに症状が出ることが多く、皮膚が赤くなって湿疹ができたり、フケや抜け毛が増えたりします。犬は患部を気にして、しきりに舐めたり、引っ掻いたりするため、皮膚が傷ついてただれ、慢性化すると色素沈着を起こし、皮膚が黒く、硬くなります。外耳炎や結膜炎、鼻炎を伴うことも多く、いったん治っても再発することが多いです。 |
犬のアレルギー対策は、皮膚へのアレルゲン接触を避けることが中心となります。 |
地域差や気象条件による変動、植物の種類によっても様々なので、花粉情報をこまめにチェックする。 |
散歩のときにウエアを着ることによって、物理的にアレルゲンを回避します。ナイロン製のコート・タイプがおすすめです。最近は全身をすっぽり覆う専用のボディ・スーツも販売されています。 |
犬は人と違い地面に近いところを歩き、草むらにも入るので、草木の多い公園など、地面に落下したアレルゲンに反応しやすく、注意が必要です。 |
人も犬も外から帰ったら玄関でアレルゲンを落とし、室内に持ち込まない。 |
脱臭機能だけでなく、アレルゲンの除去機能もある、空気清浄機を使い、室内のホコリやアレルゲンの除去を積極的に行う。 |
犬の皮膚は人よりはるかにデリケートです。弱酸性のシャンプー、アレルギー専用の製品や抗菌シャンプー、皮脂を取るシャンプー、保湿シャンプーなどの薬用シャンプーを、犬の症状をよく把握したうえで選択しましょう。シャンプーのしすぎは皮膚のバリア機能を落としてしまうので逆効果です。製品にもよりますが週二回までが限度です。 |
免疫抗体の一つであるlgEが特定のアレルゲンに反応すると、結果として炎症物質が放出され、炎症や浮腫などのアレルギー特有の症状が出てしまいます。そこで、どのアレルゲンに反応しているかlgE検査(血液検査)でアレルゲンをある程度特定できます。 |
皮膚は体の内外を隔てるもので、ウイルスなどの体内侵入や、水分の蒸発を防いでいます。これを「皮膚バリア機能」といい、健康な皮膚の場合3~4週で新しい皮膚に生まれ変わります。皮膚の表面の細胞間を埋めているセラミドという脂質が少なくなると、その隙間から花粉などのアレルゲンが皮膚に侵入しやすくなります。そのためセラミドを増やすスキンケアをすると効果があります。セラミドは、保湿ローションの成分として体外から、あるいはサプリメントから体内に吸収できます。セラミドが増えれば、膿皮症のもとになるブドウ球菌の侵入リスクも抑えられ、フケを抑えることができるので、アレルギーに限らず、皮膚トラブルのケアに有効です。 |
皮膚に有効なサプリメントで体の中からアレルギーに強い体質づくりを心がけることも大切です。人間医療でも研究が進んでいる「プロバイオテクス」と呼ばれる分野で、腸内の善玉菌である乳酸菌を増やすことが、人の花粉症にも有効ですが、アレルギー体質の改善になります。 |